逆張り仕入れで激安野菜!八百鮮の戦略と仕入れ術を解説

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「野菜が高いな…」そんな日常の声に真っ向から挑む八百屋がいます。その名は八百鮮。大阪・神戸・愛知のわずか10店舗でありながら、レタス55円という衝撃価格を実現。話題の“逆張り仕入れ”の正体とは何なのでしょうか?

出典:https://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/?cx_search=program&

生鮮品の価格高騰や物流の課題が叫ばれる中、わずか10店舗で年間82億円を売り上げる青果チェーン「八百鮮」が注目を集めています。その成功の背景には、常識破りの逆張り仕入れという仕組みがあります。一般的な小売店とは異なり、現場のスタッフが早朝から市場に出向き、自分の目で商品を選ぶ属人的な仕入れ。広告費ゼロ。冷蔵保存なしで即日完売を基本とする手法には、他店にない熱と戦略があります。本記事では、八百鮮 戦略の全貌を深掘りし、仕入れ術の裏側までご紹介します。


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逆張り仕入れとは?

「旬・定番」をあえて避ける、勝負の裏側

八百鮮の仕入れ担当者は、毎朝市場に足を運び、自分の目で商品を選びます。ポイントは、誰もが選びたがる「旬」や「定番」に固執しないこと。むしろ余っている野菜、目立たない果物、流通でだぶついた商品に注目して仕入れを行うのが特徴です。これが逆張り仕入れ。たとえば、一般には高価でなかなか手が出ない高級フルーツであるシャインマスカットが、ある日「小粒・やや不揃い」で大量に出回ったため、1房1,280円という破格で仕入れて販売したこともあったそうです(※価格は番組紹介または八百鮮過去実績による可能性があり、時期により異なります)。

このように、状況を見て“いま余っているもの”を“安く”仕入れることで、驚くほどの価格と鮮度を両立させる。それが逆張り仕入れ最大の強みです。

顔なじみの仲買人との関係がカギ

価格交渉や仕入れの良し悪しを左右するのは、仕入れ担当者が築いてきた市場との関係性。顔なじみの仲買人から「今日はこれが安い」「これならいいモノが入ってるよ」とリアルな情報を得て、時には破格で仕入れることも。こうした現場力が、「この人だから安い」という現象を生み出しています。


八百鮮の戦略とは

チラシ広告ゼロでも集客が止まらない理由

一般的なスーパーではチラシが集客の命綱ですが、八百鮮ではそれを一切やりません。SNSの発信や、店頭の熱気、賑わいが口コミを生み、自然とお客が集まってくる仕組みです。たとえば、Instagramでは「#八百鮮」「#激安フルーツ」などの投稿で、実際の目玉商品や破格の価格設定が日々発信されており、リアルタイムで話題を呼んでいます。また、店舗ごとに発信するX(旧Twitter)アカウントでは「今日の目玉品」や「今だけの特価品」を掲載し、常連客とのやり取りが活発に行われています。

現場主導で価格も商品も日々変化

商品の選定だけでなく、価格設定も現場に委ねられています。市場の相場を見ながら、「今日はこれを目玉に」「これだけ残ったから大胆に値下げ」と判断。各店舗の裁量があるからこそ、機動力の高い経営が可能になります。


仕入れ術の現場にある「人」の熱

「仕入れ即販売、冷蔵庫に戻さない」徹底した鮮度重視

朝に仕入れた商品はそのまま即売場へ。八百鮮では「売れ残りを冷蔵保存する」という概念が基本的にありません。夕方には思い切った値下げも行い、とにかくその日で売り切ることが大前提。だからこそ、常に新鮮な商品が並び、顧客の信頼を集めているのです。

裁量を持つ社員が育つ仕組み

市原敬久さんが率いる八百鮮では、仕入れから価格設定、販売戦略まで現場の裁量が非常に大きく設定されています。仕入れを担う社員は、自ら判断し、交渉し、結果を出すことが求められる存在です。

そのための育成は、座学よりもOJT(On the Job Training)が中心。たとえば新入社員は、ベテランの先輩社員とともに早朝から市場へ同行し、仕入れの判断基準を間近で学びます。「どの野菜が安いか」「どれが痛みやすいか」「今仕入れて売れるか?」という問いを、現場で五感を使って即答できるようになることが求められます。

また、仕入れた商品がどのように売り場で展開されるかまでを想像して、商品構成や価格決定も含めて実践させる流れが整っています。ベテランの社員からは、「値付けは半歩先を見ろ」「迷ったら常連のおばちゃんの顔を思い出せ」といった現場ならではの指導が飛び交います。

こうした日々の積み重ねの中で、ただの売り手ではない、“目利きと判断”を備えた強い仕入れ人材が育っていくのです。


【まとめ】

八百鮮の「逆張り仕入れ」は、単に安く仕入れることではありません。「今あるものを最大限に活かす」「現場が判断して即行動する」その仕組みが、他のスーパーではまねできない強さを作り出しています。レタス55円、高級フルーツが1,000円台という驚きの価格の裏には、担当者一人ひとりの努力と判断が詰まっています。広告を使わず、現場の売場力だけでお客さんを惹きつけるスタイルもユニークです。

そして何より、現代の消費者は「安い」「新鮮」だけでなく「納得感」や「発見」を求めています。その点、逆張り仕入れは予想外の価格と商品で驚きを与え、買い物体験自体を楽しませてくれる点で、消費者心理にしっかりフィットしていると言えますよね。

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