「目が点になる」って、なんだか笑える表現ですよね。でもよく考えると、“目が点”ってどういうこと?チコちゃんでも取り上げられるこの言葉、じつは思った以上に面白い背景があるんです。
今回は、1970年代のギャグ漫画やジャズ文化を入り口に、「目が点になる」がどう広まっていったのかを一緒にたどっていきます。放送前時点の情報ですが、「それ、知らなかった!」と感じるエピソードもあるはずですよ。
「目が点になる」ってどんな時に使う?
驚きすぎて固まっちゃう時
「目が点になる」は、あまりの出来事に「ぽかん」としてしまう感じ。たとえば、会社で上司が突然踊りだした…そんな状況、まさに目が点ですよね。
漫画の“点の目”がきっかけ
この表現、実は漫画のキャラが驚いたときに「黒い点だけの目」で描かれていたことからきているんです。1970年代の谷岡ヤスジさんのギャグ漫画がまさにそれ。強烈なインパクトでした。
山下洋輔さんと“言葉の拡散”
漫画ファンだった山下洋輔さん
山下洋輔さんはジャズピアニストとして知られていますが、実は谷岡ヤスジさんの漫画の大ファンでもありました。そして彼は、あの「点の目」のシーンにハマってしまったんです。
エッセイや舞台で“じわっと”広まった
山下洋輔さんは、自身のエッセイやライブトークで「目が点になる」という言葉をぽろっと使い始めました。これがじわじわと広まり、ファンやメディアに拾われていったんです。言葉の面白さって、こんな風に広まるんですね。
谷岡ヤスジさんの漫画がなぜすごい?
「ヤスジのメッタメタガキ道講座」って知ってる?
このタイトル、すでにインパクト抜群ですよね(笑)。谷岡ヤスジさんの代表作で、ギャグがどれも尖ってます。目が点になるだけじゃなく、「鼻血ブー」「アサー」など、いまやお馴染みの表現もここから生まれました。
1970年 故 谷岡 ヤスジ氏の漫画 [ヤスジのメッタメタガキ道講座]が大人気となりました。これは子供達の過激な日常を描いたギャグ漫画で、作中に登場する台詞の「アサー!」「鼻血ブー」は流行語となり翌 1971年には実写映画化・アニメ映画化されこちらも大人気となりました。 pic.twitter.com/JC6sCKwMxg
— 懐かしくん (@Natsukashikun) May 12, 2023
描写がもはや社会現象
テレビやCMでも“点の目”の表現はよく使われてきましたよね。それって実は、ヤスジ漫画が原点だったかも。視覚的にわかりやすい驚きの表現が、言葉として定着していったんです。
もうひとつの説もある?
さだまさしさんと福田幾太郎さんのコンビ
一方で別の説もあります。さだまさしさんのライブで、福田幾太郎さんが漫画『嗚呼!!花の応援団』の中のセリフを真似て「目が点点になってる」と言い出したというもの。それを聞いた笑福亭鶴瓶さんなどが広めたという流れです。
でも定着ルートは…?
いろんな説がありますが、「漫画→文化人→大衆」というルートが言語学的にも自然で、谷岡ヤスジさん→山下洋輔さんの流れのほうが根強い説として語られています。
なんで今も「目が点になる」って言うの?
- 絵が浮かぶから:漫画のワンシーンが頭に浮かびやすいから、感覚的に使いやすいんですよね。
- 感情が伝わるから:驚いた、呆れた…そんな感情を1フレーズで言い表せる便利さ。
- ユーモアがあるから:ちょっとした笑いを取れる、ライトなノリの言葉として重宝されてます。
日常で使うときってどんな場面?
- 上司がいきなり変なダンス →「…いや、目が点になったよ」
- 子どもが本気で宇宙人と会話してる →「何言ってんの!? 目が点になるわ」
- 推しがサプライズ登場 →「目が点になるほどびっくりした!!」
おわりに
「目が点になる」というちょっと笑える言葉には、谷岡ヤスジさんのぶっ飛んだ漫画表現と、山下洋輔さんのユーモアセンスが隠れていました。日常会話で軽く使っていた言葉に、こんな“深み”があったなんて、ちょっと感動しませんか?
これからも、当たり前に使っている言葉の背景をふと考えてみると、また違った面白さが見えてくるかもしれませんよ。
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