2025年8月6日放送の『ホンマでっか!?TV』で飛び出した「怒ると脳が小さくなる」という衝撃発言。そのワードに思わず検索した方も多いのでは?この記事ではその真偽を、科学的知見をもとに分かりやすく掘り下げます。
怒りという感情が、脳にどれほどの影響を及ぼすのか?これはメンタルヘルスやストレスケアの観点からも非常に重要なテーマです。『ホンマでっか!?TV』で紹介された「怒ると脳が小さくなる」というフレーズは、インパクトの強さから多くの視聴者に印象を残しました。しかもその発言をしたのが、脳科学者の澤口俊之さんであればなおさら信ぴょう性を気にしてしまうもの。この記事では、怒りと脳の関連性に関する科学的見地を丁寧に追いながら、番組で紹介された怒りの対処法や、視聴者が感じたであろうモヤモヤ感も拾い上げ、理解と納得に繋がる構成を目指しました。
怒ると脳が小さくなる
表現の真意と脳科学の視点から考える
「怒ると脳が小さくなる」という言葉。突飛にも聞こえますが、実は完全な誤りというわけではありません。怒りや慢性的なストレスが脳に悪影響を与えることは、多数の神経科学研究で確認されています。具体的には、ストレスホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌されることで、海馬(記憶を司る領域)や前頭前野(判断・抑制の中枢)の神経細胞にダメージを与える可能性があるのです。
たとえば、慢性ストレスにさらされた被験者の海馬体積が減少する傾向があることを示したMRI研究も存在しています。ただし、「物理的に脳全体が小さくなる」という意味ではなく、「特定部位の萎縮・機能低下」が起きうるという話です。この点は誤解されやすいので注意が必要ですね。
澤口俊之さんの発言とその意図
『ホンマでっか!?TV』でこのフレーズを語ったのは、澤口俊之さん。彼は前頭前野の重要性を長年にわたって語ってきた研究者です。前頭前野は、怒りを抑えたり理性的に判断したりするためのブレーキのような働きを担っています。怒りが強くなると、そのブレーキ機能が低下して、衝動的な言動に結びつきやすくなるという構造です。
また、扁桃体が怒りの引き金を引く感情の発火装置とするなら、視床下部は自律神経を通して心拍数や血圧を急上昇させる実働部隊。ここでコルチゾールの過剰放出が起きると、神経細胞が損傷を受け、脳機能が低下するリスクが高まるとする説も存在しています。ただし、これらはまだ議論の余地がある分野であり、明確な因果関係が確定しているとは言い切れない点もあることをここで明示しておきます。
ホンマでっかTVで話題の説
放送内容から見えたポイントの整理
番組では「怒りを抑える11の方法」として、具体的な対処法が紹介されました。内容はエンタメ性もありながら、科学的な要素を交えたバランスの良い構成でした。なかでもインパクトが強かったのが「怒ると脳が小さくなる」というセリフ。実際SNSではこのワードがトレンド入りするほど、話題性が高かったことがうかがえます。
たとえば、「駅の改札を出た直後に立ち止まる人にイライラする」や「電車の空席に座らない人にムカッとする」といった共演者の“怒りあるある”も続々と登場。これに共感した視聴者の反応がX(旧Twitter)を中心に多く見られました。
このように、身近な怒りと脳の関係がリンクされることで、視聴者の「自分ごと化」が促進されたことが、今回の放送がバズった理由のひとつと言えるかもしれません。
視聴者が感じたであろう小さな違和感とは
とはいえ、「本当に科学的根拠あるの?」と感じた方もいたのではないでしょうか。番組内では、医学的研究名や具体的な論文の紹介は省かれており、「印象としては強いけれど、ちょっと引っかかる」そんな感覚を持った視聴者も一定数いたように思われます。
テレビ番組としての構成上、情報が簡略化されるのは当然のことですが、だからこそ放送後に自分で調べて納得したくなる。この記事は、そんな視聴者のために補完的な役割を担えたらという思いで構成しています。
説を徹底検証
怒りが脳に与えるリアルな影響
怒りが脳に与える影響を、脳の各部位ごとにもう一度整理してみましょう:
- 扁桃体:怒りを瞬時に察知してアラームを鳴らす役目。ここが過敏になると小さな刺激に過剰反応してしまいます。
- 前頭前野:理性の司令塔。怒りの抑制を担うが、慢性的なストレスで機能が落ちると暴走しやすくなる。
- 海馬:記憶や空間認知を担うが、コルチゾールの影響で萎縮しやすく、記憶力や集中力の低下を招きやすい。
- 視床下部:怒りの感情が身体に及ぼす影響の起点。交感神経を通じて心拍数や血圧を一気に高める。
怒りを感じたとき、体が熱くなったり顔が赤くなったりするのは、こうした生理反応によるものです。つまり「怒ることは脳と体の一大事」なんですね。
生活に活かせる怒りのコントロール術
番組で紹介された11の方法は、どれも“やってみようかな”と思わせるものばかり。
- 今の自分の怒りを実況中継するように言葉にする
- まずは深呼吸を3回してみる
- 鏡の前で怒った自分の顔を見てみる
このように、自分を外から見る“第三者視点”を持つだけでも怒りのピークは緩やかになると言われています。
加えて、軽い運動やマインドフルネス瞑想など、脳に穏やかさを与える方法も効果的。特に怒りを感じやすい現代社会では、こうしたセルフケアの習慣を日常に取り入れることが大切だと筆者は実感しています。
まとめ
「怒ると脳が小さくなる」という言葉は、確かに刺激的ですが、科学的に見れば「怒りやストレスが脳の特定部位に悪影響を与える可能性がある」といった形で一定の根拠があります。とくに前頭前野や海馬は、その影響を受けやすいことが数々の研究で報告されているのです。
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ただし、脳全体が縮むような極端な話ではなく、あくまで“比喩的な表現”であることも忘れてはなりません。この記事では、澤口俊之さんの発言をもとに、怒りが脳に与えるリアルな影響や、番組で紹介された11の実践法について科学的根拠とともに紹介しました。
私自身、「怒りをコントロールする力は人生を変える」ということを、この記事を書きながら改めて痛感しました。
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