「彦根城の太った壁って何?」「壊れる橋って本当にあるの?」──フジテレビ「今夜はナゾトレ」の予告を見て、そう思った人は少なくないでしょう。
番組ではあえて謎めいた表現で惹きつけていますが、実際には歴史的に裏付けられた構造や景観に関わるもの。
この記事では、太った壁の正体・壊れる橋の場所・秘密庭園からの琵琶湖絶景 を、歴史の資料や現地情報をもとに整理しました。放送前に読んでおけば、「なるほど!」と納得しながら番組を楽しめます。
彦根城太った壁って何?
内部に詰められた栗石の役割
彦根城 の「太った壁」とは、天守北側の附櫓にある防御壁のことです。外見は分厚く、まるで膨らんでいるように見えるため「太った壁」と呼ばれます。その内部には直径20cm前後の 栗石 が隙間なく詰められ、鉄砲の弾を受けても衝撃を分散できるよう工夫されています。
この栗石は自然石を割った「割栗石」とも呼ばれるもので、不揃いながらも噛み合って壁全体を強固にするのです。もし実際に触れられたなら、その重みと密度に驚くでしょう。
漆喰で仕上げられた外観と防御美学
外側は白漆喰で仕上げられています。見た目の美しさを損なわず、内部ではしっかりと防御を固める。美観と防御を両立させる城造りの思想 が、この「太った壁」から垣間見えます。資料では鉄砲戦を意識した近世城郭の代表例とも記されており、決して番組の誇張表現ではありません。
(※ただし「太った壁」という呼称自体は学術用語ではなく、現地ガイドや観光解説で広まった俗称です。この点は推測を含む部分であることを明記します。)
おはよう御座います、今日もよろしくお願いします。
18年前の今日は、ここに行ってたみたいです。
近江国 彦根城 pic.twitter.com/PNNWh4T9W7— 宗瑞 (@kenken55513) August 9, 2025
壊れる橋の場所はどこ?
廊下橋と落とし橋の仕組み
「壊れる橋」とは、天秤櫓の手前にかかる廊下橋 を指します。この橋は戦時に敵が攻めてきた場合、あえて落として進入を防ぐ仕組みがありました。つまり「自然に壊れる」のではなく「壊して防御に使う」設計です。
こうした構造は「落とし橋」と呼ばれる仕掛けの一種で、彦根城がいかに鉄砲時代を意識して作られていたかを示しています。
天秤櫓と橋のセット防御
天秤櫓は左右対称の珍しい櫓で、内部は二方向からの攻撃に備えられる設計。そこへ至る廊下橋を外すことで、敵は前に進めなくなる。櫓と橋が一体で防御システムを構成していた のです。
(補足:伝承として「徳川家康の次男・結城秀康がこの橋で倒れ血を吐いた跡が残った」との逸話がありますが、これは史実確認が難しいため伝説扱いです。)
【気ままに】
《高石垣》、始めは3月11日。長かった🤪
次は石垣から離れようとは思ったが・・・
当初は各お城の10m超を一気に呟くつもりだったが途中からゴチャゴチャに彦根城はこの〈一気〉で1回のみ
石垣カルテ、絵図も揃っており比べるのも面白そう
もう少し石垣が続くが次は《彦根城の石垣》で https://t.co/9Ki5KYfvFu— 城翁 (@moch1514) August 15, 2025
秘密庭園から琵琶湖絶景が!
玄宮園と内部からの視点
「秘密庭園」と紹介されるのは、彦根城東側の 玄宮園。外部からは見えにくく、内部からは広く琵琶湖を望めるよう設計された庭園です。池越しに彦根城天守を仰ぎ、その背後に琵琶湖が広がる景観は圧巻です。
彦根城玄宮園
大名庭園の優雅さ
でも維持管理大変やったやろなと思う pic.twitter.com/KvtivATgeh— 城旅太郎/🏯 (@taro_koizumi331) August 8, 2025
琵琶湖の見え方の違い
湖岸から見る水平的な眺めと違い、城から見る琵琶湖はパノラマ的。歴史建築と自然景観が重なる独自の風景 です。この視点の違いを知ると、現地で実際に眺めた時に「テレビで見たのはここか」と感動が増すでしょう。
まとめ
今回のナゾトレで注目される「太った壁」「壊れる橋」「秘密庭園からの琵琶湖絶景」。その正体を整理すると、
- 太った壁:附櫓にある内部栗石充填の防弾壁。美観と防御を両立(俗称である点は注意)。
- 壊れる橋:天秤櫓前の廊下橋。戦時に落として敵を防ぐ仕組み。
- 秘密庭園:玄宮園を含む庭園群。城内からのみ広く琵琶湖を望める特別な場所。
こうして見ると、番組の謎かけ的表現はすべて 歴史的な背景に裏打ちされた事実 であることがわかります。
私は実際に資料を読みながら、「ただのキャッチーなフレーズではなく、防御設計の知恵や美意識が現代まで語り継がれているのだ」と実感しました。番組を観る際、この背景を知っているだけで「なるほど、そういうことだったのか」と膝を打つ瞬間があるでしょうね。
そして、もし訪れる機会があるなら、太った壁を見上げて石の力強さを感じ、廊下橋に立って攻防の歴史を想像し、玄宮園から琵琶湖を眺める。その体験はテレビを超える感動を与えてくれると思いますね。
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